職場の飲み会において、新人が全く動かないことに対して苛立ちを感じる上司や先輩社員の方々へ。
このような状況になった時にすぐに新人を非難するのではなく、その背景にある理由を理解することが重要です。
もし先輩・上司であるあなたがこのような新人の様子を見て、「使えない」「無能だ」と一蹴してしまえば、新人はますます委縮してしまうことでしょう。
最悪今後の飲み会への参加を渋るようになり、職場になじめなくなってしまう危険性も。
そこで今回はなぜ飲み会で新人が動かないのか、その理由と上司や先輩であるあなたやるべきことについてお伝えします。
飲み会で新人が動かないのはなぜ?
それではなぜ飲み会で新人が動かないのでしょうか?
その理由は以下の通りです。
- 世代による考え方の違い
- 初めての飲み会で何をすべきかわからない
- プレッシャーと不安があるから
- 受け身になってしまう
- コミュニケーションスキル不足
- 話の内容についていけない
- 学生時代に飲み会でパワーハラスメントを受けた
世代による考え方の違い
最近の若い世代は、従来の働き方や価値観とは異なる感覚を持っています。
過去には飲み会が職場の結束を強める重要な機会とされていましたが、現代の新人は仕事とプライベートをきっちり分けたいと考える傾向があります。
特にミレニアル世代やZ世代は、効率性やワークライフバランスを重視し、業務時間外の飲み会に対して積極的ではない場合が多いです。
初めての飲み会で何をすべきかわからない
新入社員の皆さんが職場の飲み会で戸惑うことがあるのは無理もありません。
なぜなら数年前にウイルスが流行した時から、飲み会の機会が減少したため飲み会での行動作法を学ぶ機会が少なくなってしまったからです。
飲み会では周りの人酒が空いたらすぐに注文する、料理を取り分けたりするなどいくつかの作法がありますが、新人にとっては、こうした些細な行動一つ一つが分からずどう振る舞えばよいのか困惑してしまうのです。
さらに新人社員が飲み会の幹事を任された場合には、準備から進行、片付けまで、全てが初めてのことで混乱することは必至です。
何から手をつけたらいいのか、どのようなことに気をつければよいのか相当悩んでいた可能性もあります。
プレッシャーと不安があるから
新人は、上司や先輩からどのように見られているのかを非常に気にします。
飲み会の場では、仕事の延長線上としての評価や期待がかかるため、プレッシャーを感じることが多いです。
このプレッシャーが、自由に動けない原因となります。
また新人は社内の力関係やヒエラルキーに敏感です。
誰にどのように接するべきかどのような話題が適切かなどを考えると、自然と慎重になり動けないことがあります。
受け身になってしまう
職場での仕事でもそうかもしれませんが、最近の新人社員は自分から行動はせず受け身になる人が多いです。
そのため明確な指示がない場合、どう動いて良いか分からず、結果的に動けない状況に陥ります。
経験が浅いため過去の事例を参考にすることができず、何を期待されているのか理解するのが難しいのかもしれません。
コミュニケーションスキル不足
新人社員は社会人としてのコミュニケーションスキルが未熟であることが多いです。
特に仕事とプライベートを交えたコミュニケーションは難易度が高く、どのように話を展開すれば良いか分からないことがあります。
また元々の性格として人見知りの人もおり、飲み会の場で多くの人と積極的に話すことに対して強い抵抗感がある人もいるでしょう。
そして若い世代は、SNSやチャットアプリを使ったコミュニケーションに慣れており、直接対面でのコミュニケーションに対しては緊張や戸惑いを感じることがあります。
飲み会という形式が彼らにとってストレスとなることも少なくありません。
話の内容についていけない
新入社員にとって先輩社員や上司の方々の会話に付いていくことは、なかなか難しいものがあります。
というのも社会経験や仕事の知識が乏しいゆえに、話の内容を理解できないことが多々あるからです。
例えば、「数年前のある出来事については大変だった」といった昔話や、「営業部のあの人は次期課長候補らしい」といった社内の人事ウワサなど、新人社員には会話の内容がよくわからない部分が多く出てきます。
話の内容を理解できる人からすればそうした会話は楽しいものですが、理解できない新人からすればまるで地獄のようなものなのです。
会話に入り込めずひたすら黙って聞くしかない状況は、新人にとっては苦痛でしかありません。
学生時代に飲み会でパワーハラスメントを受けた
学生時代の飲み会で嫌な経験をしたことがある場合、そのトラウマから飲み会全般に対して消極的になることがあります。
特に無理やり飲酒を強要されたり不快な言動を受けたりした経験があると、飲み会への参加自体に抵抗を感じるようになります。
飲み会で新人が動かない時に上司・先輩としてやるべきこと6選
先ほど新入社員が飲み会で動かない理由についてお伝えしましたが、次の飲み会では動いてもらおうとすぐに怒ってはいけません。
そうしてしまえば、新人は今後の飲み会への参加を渋るようになり、会社生活において重要な役割を担う接待の場にも同席を拒むかもしれません。
さらに、「飲み会は業務なのか」と問い質し、残業代の支払いを要求するといった事態にもなりかねません。
なので以下の方法によって新人社員が飲み会で動いてくれるように働きかけましょう。
- 飲み会の意義を知ってもらう
- プレッシャーを和らげる
- 1から飲み会のマナーを教える
- 新人の話を聞いてあげる
- 新人に見本をみせる
- 飲み会後はフォローアップを
飲み会の意義を知ってもらう
新人に会社の飲み会文化を理解してもらうためには、事前にその意義や目的を説明することが重要です。
飲み会が単なる親睦の場であるだけでなく、仕事の一環としての側面もあることを伝えましょう。
また飲み会では業務時間中には得られない情報交換やリラックスした雰囲気の中での意見交換ができます。
さらには職場の結束を高めることにあるとも説明すると、新人がその意図を理解しやすくなるでしょう。
例えば「飲み会でのコミュニケーションが仕事にどのように役立ったか」など具体的な例を共有すると効果的ですね。
このように飲み会を通じて得た情報や人間関係が業務にどのようにプラスの影響を与えたかを話すことで、新人も参加の意義を感じ動けるようになるでしょう。
プレッシャーを和らげる
新人が飲み会で感じるプレッシャーを軽減するために、リラックスできる環境を提供することが大切です。
そのためにも上司・先輩であなたは、自らがリラックスした態度で飲み会に臨むことが重要です。
新人が上司や先輩に対して過度に緊張しないよう、フランクな会話を心がけましょう。
1から飲み会のマナーを教える
新人の頃は何もわからず、右往左往するものです。
ほとんどの新人が会社の作法や常識は全く身についていないでしょう。
新人を「大人なんだからこれくらい分かるだろう」なんて思い込んではいけません。
なので上司や先輩が手取り足取り教えていかなければなりません。
例えば乾杯の時は先輩の杯より低く構える、食べ終わった皿は店員さんが回収しやすい場所に置くなど、いろいろなマナーがあります。
これらは私たち社会人には常識ですが、新人には身についていないものなのです。
ですから、「こうしてほしい」ということがあれば、ていねいにそして繰り返し指導しましょう。
このように面倒な思いをしなければならないかもしれません。しかし、新人育成は先輩社員の重要な役割なのです。「教えられない人間が、新人を責めるなんてあり得ない」と心に刻みましょう。
そうすれば、きっと素晴らしい後輩が育つはずです。頑張りましょう!
新人の話を聞いてあげる
上司や先輩社員の皆さんは、新人の話には大した経験も含まれておらずつまらないと感じるかもしれません。
しかし新人の話を無視して別の話題に移ってしまうようでは、話は続きません。
飲み会の場で新人が勇気を振り絞って発言しているのに、ちゃんとその話を聞かないとなれば、新人は「話しても無駄だ」「飲み会なんてつまらない」と思うようになってしまうでしょう。
そうなれば職場の雰囲気も悪化し、良い結果は何ひとつ生まれません。
新人の話とりとめのない話に感じるかもしれませんが、上司や先輩方が忘れかけていた初心を思い出させてくれたり、新鮮な視点を教えてくれたりすることもあります。
ですから上の立場の人間が新人の話を聞くくらいは当然のこと、むしろ熱心に耳を傾けるべきです。
そうすれば新人も「自分の話を聞いてくれる」と感じ、次第に活発に発言するようになるでしょう。
お互いの話を真剣に聞き合うことで、上司や先輩と新人の絆も深まっていくことになるはずです。
言葉を大切にし、お互いを尊重し合う関係を築いていきましょう。
新人に見本をみせる
新人への教育は大切ですが、それだけでは不十分です。
先輩社員自身が良い見本となり、率先して実践しなければなりません。
なぜなら新人にはまだ経験が浅いので、言葉だけでは理解が難しいからです。
例えば飲み会の場面を考えてみましょう。
先輩が「乾杯の時はグラスを下げろ」と教えただけでは、新人には実際にどうすればいいのかわかりません。
しかし先輩が実際に乾杯の際にグラスを下げる姿を見せれば、「ああ、こうすればいいんだ」と理解できるはずです。
「先輩はこうやって動いているから、真似をすればいいんだ」と新人に思わせることが大切なのです。
ですから先輩の皆さん新人に指導するとともに、見本となるように行動しましょう。
積極的に新人の手本を示すことで、新人は着実に成長していくはずです。
飲み会後はフォローアップを
飲み会の後には、新人に対してフォローアップをしてあげることが重要です。
良かった点や改善点を具体的に伝えることで、新人は次回以降の飲み会での行動を改善しやすくなります。
フォローアップは個別に行うことが望ましく、他の社員の前で行うことは避けましょう。
そして「今日は積極的に話をしていて良かったですね。ただ、次回はもう少し他の人の話を聞く時間を増やすともっといいよ。」といった具体的なアドバイスを与えると効果的です。
お互いに飲み会を通じて得られる学びや経験を共有し、新人の成長をサポートしていきましょう。
飲み会で新人が動かないのはなぜ?上司・先輩として今すぐやるべきことまとめ
今回は飲み会で新人が動かないのはなぜなのか、上司・先輩として今すぐやるべきことについてまとめてみました。
飲み会で新人が動かないのは本人に原因があると思いがちですが、実際は上司・先輩社員の意識の在り方にあると考えています。
そもそも「新人が動かなければいけない」という古い文化自体が、もはや時代遅れです。
今は誰もが対等で、お互いに協力し合う時代なのですから。
これからは若い力は会社にとってなくてはならないものです。
新人が活き活きと働けるようにするためにも、飲み会のあり方を見直す必要があります。
今回お伝えしたように先輩が一方的に新人に責任を押し付けるのではなく、皆で楽しく交流できる場にしていきましょう。
マナーは大切にしつつ、お互いに尊重し合える関係を作ることが何より大切です。
そうすれば新人も自然と打ち解けて、飲み会を楽しめるようになるはずです。
皆さんも是非この点を意識して新人の育成に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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